診療時間

三万人の命

個人的なことで、かつ、悲しいことで申し訳ないのですが。。。

 

以前から親しくしていた看護師さんが亡くなられたと、知らせがありました。

自死でした。

(「自殺」という言葉にわたしはどうもなじめなくて、自死と言います)

とても優秀で、まじめすぎるくらいのひとでした。

「うつ」に苦しんでいたとのことでした。

 

わたしはこれまで、大学の先輩、叔父、一緒にはたらいていた看護師さんなど、数名のかたと、自死によるお別れを経験しました。

また、札幌で勤務医をしていたときは救急病院でしたので、年に数十人は、自ら命を断とうとしたかたが運ばれて来ました。

今思えば当時は、多忙な日常の中で、一つ一つの「いのち」の行方をやり過ごしていました。

 

ご存じのかたも多いと思いますが、日本では自殺者が1998年に急増し三万人を超え、以来続いています。

この背後には、10倍もの「自殺未遂者」がいると思われます。

自殺は、決して他人事ではありません。

 

亡くなられた看護師さんとは、ここ数年は年賀状だけのお付き合いで、わたしが彼女の助けになれたわけもありません。

ニュースに流れる「三万人」は、ただの統計数字ですが、その中に、彼女のいのちがある。

ひとつひとつのいのちには、家族や友人の悲しみが付き添っている。

そんな思いで、昨夜は彼女のことを考えました。

 

 

 

 

 

 

 

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